家づくりを始めるにあたってどんな理想の住まいを思い描いていましたか？

理想の家を考えた時に介護のため、子供のため等を考えることが多くなると思います。
私たちは「家族の幸せ」ということを考えていました。
それは、子供が一番、妻が一番、自分が一番という理想に
こだわるのではなく、家族みんなにとって「居心地の良い場所」になるということが
理想の家かなと思いました。

正直、私自身は「特別にこの家が良い」などの理想の家というものがなかったのですが、
家族のことを考えた時に妻が「衣・食・住」でいうところの「衣」や「住」にすごくこだわりがあるので
そういう意味でも妻にとって必要とする家になるならそれが理想となる家になると思いました。

芝田建築デザインとの出会い

今回新築で建てた私たちの住まいの障子紙を作っていただいた
ときがわ町に住む谷野さんと以前に知り合いになりまして、
私が友達と一緒に谷野さんの工房へ紙漉き体験にいったことが始まりです。
その後も、お仕事場でも再開するなどご縁があるなと思っていました。

しばらくして、谷野さんがNHKの「あさイチ」の番組に出演されると知り谷野さんの作った
和紙を使った住居が放映されていました。その住居を設計したのが芝田容子さん(芝田建築デザイン)でした。
それを見てすごく素敵なお家だなと思いました。
私は「マイホーム」を持つのが憧れだったので
是非芝田さんにお願いしたいなと思いました。
それが芝田さんとの出会いで、家を建ててもらうきっかけでした。

家づくりが始まってからの対応はいかがでしたでしょうか。

キッチンの食器棚を木で造作していただいたのですが、
改めて完成したものを見ると細かなところまで
大工の佐々木さんに作り込んでもらっていたんだなと感じます。
建設中は日々出来上がってゆく住宅の現場で昼間は妻が直接要望を伝えさせていただき
それを元に細かな設計のところを修正していただきました。
その辺りの対応力は非常によかったので感謝しています。

私(奥様)が何度も現場に訪問し私の「身長」「目線」に対して高さなどを調整していただきました。
その要望を大工の佐々木さんに相談すると「一瞬」でサイズや高さを決めてゆくので
最初は「本当にあっているのかな？」
と疑問に思っていたのですが本当にどれも「私のサイズ」にあっていたので
すごく使いやすくて本当にすごいなと思いました。
ドアも古材などのものを使いたいという要望があったのですが、
その時も佐々木さんと芝田さんが一緒にお店まで来てくださりこうした方がいいんじゃないか、
こうやって使えるんじゃないかと検討してくれました。
そういうことも印象に残っています。

施工中の思い出に残るエピソード

住宅の障子の和紙の一部に谷野さんの和紙を使わせていただきたくてその中の一部に
家族で漉いた和紙を使うことになりました。
当時2歳だった息子が散歩中に採ったお花を押し花にしたものを和紙の中に入れて、
その紙を障子の一部に使わせていただきました。
その時、和紙を家族で一緒に漉いたのでいい思い出になりました。
今もキッチンのところにその障子があるのですが
見る度に思い出が蘇り、すごく楽しい気持ちになります。

こだわった場所お気に入りの箇所はありますか

畳のリビングが非常に好きな場所です。
仕事から帰ってリビングでご飯を食べて、ふと上を見上げると木の天井があり、非常に落ち着きます。
10畳の畳のリビングが家の中心にある設計で広すぎるんじゃないかという意見もあったのですが
畳から窓を通して見える空や緑が綺麗で広く設計して良かったと感じます。
他にもキッチンや造作棚、窓など色々と考えて作っていただいてキッチンの棚は特に、
どんな食器を置いても映えるというか、綺麗に見える感じがします。
そこが気に入っているポイントです。

日々、忙しくてだんだんとモノが散らかってくるのですが
それすらもよく見せてくれる造作棚だと思います。
そんな感じで暮らしてゆく中でストレスがなく過ごせています。

他には組子が気に入っています。
玄関を入ってすぐの建具には組子が施してあります。
組子のデザインは私が「何となくこんなのがいい」という写真を持って芝田さんに相談したところ、
それを考慮しながら建具のデザインを考えてくださりました。
完成した住居では、その組子が家に帰った瞬間に見えるのでそれを見た瞬間に綺麗でほっとします。

また空や緑が見える住宅が良いと要望を伝えたのでそれらが良く見えるようにそこに
デスクコーナーを作っていただきました。
そこでミシンの作業をしながらふと窓を見ると空と緑が美しく見えるのでとても癒されています。
将来的には子どもがこの場所で勉強をするようになるのかな？
と思うのできっと勉強も捗るのではないかと思います。

数年住んでみての感想

光冷暖を入れていただき夏は涼しく、冬も快適に過ごしています。
私は、今までずっとマンションやアパートで生活をしていました。
壁も床も木でできているので湿気も吸収してくれているようで
快適に一年を通して過ごせています。