works家 々
第6回埼玉建築文化賞 住宅部門 優秀賞受賞
古材を再利用した通り土間の家
kozai wo riyousita ie築120年以上建っていた母屋の建て替え。
先代から受け継がれてきたものを新築する際に取り入れたいというご希望の中で、長い年月生活の中で燻され黒くなった梁を活かしデザインに取り入れ、これから先も共に在り続けるという1つのコンセプトが計画の始まりでした。
また、昔の日本の住宅に存在した「土間」を取り入れた生活のご希望を踏まえ、表玄関裏玄関のある通り土間をご提案。
通り土間には、薪ストーブを置き第2のリビングとしての機能も併せもち、ご家族の暮らしの中心として捉えると共に、通り土間を介してリビング等のパブリック空間と寝室等のプライベート空間のゾーニングとし、緩やかに繋ぐ働きも担っています。
暮らしの中心となる通り土間とリビングを勾配天井とし、構造上荷がかからない箇所に古材を取り入れることや、建具に使用されていた欄間を天井に使う等、デザインに取り入れ、今昔の融合をはかることで自然と家族の歴史を感じられ、これから先も家族を見守り歴史を共に刻んでいける、そんな想いの詰まった温かい住まいです。
- 所在地
- 埼玉県秩父郡東秩父村
- 構造
- 木造平屋建て
- 延床面積
- 107.23m³(32.37坪)
Point
玄関通り土間
通り土間の上部は吹抜けており、 母屋で使っていた梁の古材を荷のかからないところに再利用しています。よい風合いに燻された梁が魅力的です。
ガイシもオブジェとして梁に取り付けたり、変木を使う等唯一無二の空間です。
Point
小下がりリビング
小下がりにすることで、籠り感がうまれ、とても落ち着く場所となりました。天井は登り梁+杉板の勾配天井とし、床は栗の無垢板を貼っています。栗は硬く耐久性が高いという特徴と、優しい色合い、木目が魅力。無塗装の栗の床板材は、市場でなかなか見かけず、貴重な事例です。