works家 々
第3回埼玉建築文化賞 住宅部門 優秀賞受賞
桜もとの家
sakuramoto no ie住まい手の家の屋号である「さくらもと」から命名された「桜もとの家」。
山々に囲まれた清流のある自然豊かな土地柄。
敷地環境に違和感なく馴染む住まいを目指し計画しました。
外観の屋根形状は、高さを抑え平屋を連想させるよう、1階リビングダイニングから2階ホールを勾配天井でつなげる立体構成としています。外壁は、自然素材であるそとん壁を採用し、庭の緑や山々とも調和する佇まいとなるよう選定。
1階の南面開口部を大きくとり、冬の日射取得を考慮すると同時に、室内からも緑を感じられることを意識しながら、内と外の中間領域にウッドデッキを設け庭とのつながりを豊かにしています。
2階個室の南側のインナーバルコニー壁高さは、1階からつながる屋根勾配も加味しながら、周辺の山の木々と空に目がいくように検討を重ねました。
内装材も無垢の木や漆喰、和紙を使い、自然素材を使用。
素材の選定理由として体によい、風合いや経年変化を楽しめるということだけでなく、大工の手刻みを始め左官、建具、和紙を製作する地域の職人の技術を活かす手仕事を大切にしていきたいという想いも込められています。
住まい手の想い、職人の技術、設計者の熱意が結集した住まいです。
- 所在地
- 埼玉県比企郡ときがわ町
- 構造
- 木造2階建て
- 1階面積
- 189.27m³(57.26坪)
- 2階面積
- 76.64m³(23.18坪)
- 延床面積
- 265.91m³(80.44坪)
Point
2階とつながるリビングダイニングの勾配天井
登り梁と梁には、自社倉庫で大切にねかせていたピーラー、化粧垂木と化粧野地板には杉、床は木曽檜の無垢板を使用しています。
この勾配天井が1階と2階を緩やかにつなぐことで、1階2階の距離を近づけ、一体感のある住まいとなっています。
Point
玄関・ホール
天井は杉板を反らして緩やかなアーチに。やわらかで、のびやかなアーチ形状がやさしい間接照明の光とともに迎えてくれます。
真壁の檜柱は、空間のバランスを考慮し、150mm角を選定。